CSR基礎講座 No.1
最近、CSRという言葉をマスコミや店頭に並ぶ書物の見出しに良く見かけます。「CSRとは企業の社会的責任だよ。でも、CSRは経営者の考える事だから、私達社員には関係ないよ」。いや、違うんです。CSRはこれからの企業が社会と共存するための基本的な考え方でもあるのです。ですから、企業で働く方は知っていなくてはならない大切な概念であり、行動でもあるのです。こんな声も聞こえます。私は学生だからまだ関係ないよ。いえ、これも違うんです。リクルートスーツに身を包んで企業の面接を受けるよりも、CSRの知識は企業人になるための身だしなみでもあるのです。これからの社会は、そして地球環境はみんながCSRを考えなくては維持できないのです。
今月創刊する、当「企業と市民のためのフィランソロピーフォーラム」では、一人でも多くの方にCSRとは何かを理解して頂くために、これから5回にわたって連載講座を開講します。今回の第1回はCSRを理解するための基本的な概念である「ステイクホルダー」と「トリプルボトムライン」についてお話しますが、「今後5回も待っていられない」、「もっと詳しく勉強したい」と仰る方は、当協会が発売する「社会人のためのCSR講座」をお求めください。
「ステイクホルダー」
ステイクホルダーとは一般に利害関係者と訳されていますが、具体的には従業員、株主、顧客、取引先、あるいは地域社会といった企業活動を行なうにあたって関連するあらゆる対象を指します。
この言葉が本格的に使われ始めた1960年代には「企業を存続、維持するために不可欠な支持者集団」として使われていましたが、これは主に株主を指していました。現在でも、株主(ストックホルダー)を主体とする考え方は主流ですが、その後より広く「企業活動の目的において影響する、あるいは影響を受けるあらゆる個人と集団」と定義されなおされています。つまり、支持者の集団が株主だけに止まるのではなく、従業員をはじめ顧客、地域社会といったように、まさに企業活動を行なうにあたって関連するあらゆる対象が含まれるようになってきたのです。
「トリプルボトムライン」
会社のパフォーマンスは今まではP/L(損益計算書)やBS(バランスシート)といった決算書、すなわち財務、経理面からの尺度で評価するのが一般的でした。しかし、現在の社会や環境を考えると、果たしてそうした一面的な評価でよいのでしょうか。法律を守らない、あるいは法の網目をくぐる、製品の欠陥を隠す、あるいは環境や健康を損なう汚染物質を排出する、そんな不祥事が我々の身の回りで日常茶飯事の如く起こっています。
ところが、よくよく考えてみると企業が事業活動できるのはそこに株主や顧客をはじめとする様々なステイクホルダーが存在するからなのです。株主がみんなそっぽを向いてしまっては株式会社は成立しません。お客様がいなくなっては、せっかくの製品も売れません。それに、そう、会社にお勤めの皆さんも実はステイクホルダーでしたね。従業員の方が気持ちよく働けないようでは、厳しい経済競争にも簡単に負けてしまいます。
企業が事業活動を維持できる条件は他にもあります。皆さんの会社で作る製品の原材料は何でしょうか。ほとんどの原材料は無尽蔵ではないはずです。それから、製品を作る過程で環境に配慮はしていますか。いま、地球環境は生死の瀬戸際にいるといっても差し支えないでしょう。企業の事業活動で排出された汚染物質で地球の温暖化がすすみ、海域が汚染されているのです。こうした事を放っておいたら企業の将来はどうなるのでしょうか。答えは至極簡単です。今はいいけど、事業基盤が崩れた将来は事業活動が立ち行かなくなるのです。ですから、企業の事業活動を将来にわたって維持できるようにするには、社会や環境といった事業基盤を維持することを考える必要があるのです。すなわち、環境が維持できてはじめて社会が維持できる。社会が維持できてはじめて企業の事業活動が維持できるのです。
トリプルボトムラインとは企業パフォーマンスを評価するのに、今までの財務パフォーマンスだけでなく、環境、社会、ビジネス(財務)の3つの側面から、すなわちトリプルボトムラインから評価しようとする方法です。こうしたボトムライ、いわゆる「結果」ですが、がバランスよく相互にポジティブな相乗効果を発揮している事が今後とも持続的に発展する企業には大切になるわけです。
今回は基本的な二つの言葉を学習しましたが、次回は「CSRとは何か」について説明する事にしましょう。
2005年08月05日
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「聴導犬」を知っていますか?
品川駅のホームで、仕事中の「聴導犬」に出会った。オレンジ色のユニホームを着け、ご主人の隣でチョコンとお座りの姿勢をとっている。
聴覚の不自由なひとに代わって家の中では、目覚ましやインターフォンや電話の呼び出し音を伝えたり、外出時には車のクラクション、ご主人の名前に反応するように訓練されている。
補助犬法ができて一年以上がたつが、まだまだ市民権を得られず、相変わらず入店や入場を拒否されることが多いそうだ。「他のお客様のご迷惑になりますので」。そんなときはすかさず「ちっとも迷惑じゃありませんよ」と一言、声に出してあげてほしい。



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