第2の人生は、技術者からケーキ職人へ

東京・中目黒にあるチーズケーキ専門店「ヨハン」は美味しいと評判のお店。この味を守っているのが、プラスチック会社を定年退職した元同僚たちというから驚くではないか。

64歳でプラスチックメーカーを退職したオーナーの和田利一郎氏は、夫人の知り合いのお宅で初めてチーズケーキを食べ、美味しさに驚く。「僕がおいしいと思うんだから東京の一千万人のうち何人かは美味しいと思ってくれるだろう」とレシピを教えてもらい、自宅の台所で試作を始めた。

ところが、レシピ通りに作っても、なかなか味が一定しなかった。チーズは生ものなので、季節、保存状態によって成分にバラツキが出るのだ。同じ味を保つには、練り方や焼き時間など微妙な調整をしなければならなかった。

これを経験でなく技術――熱伝導などの複雑な計算でクリアしようとしたところがいかにも技術者らしい。和田氏は、試作を重ね、これならいけるというレシピが完成したところで、元同僚達を仲間に誘った。家電や医療器具のプラスチックを作るためのための難しい成分調整、厳しい品質管理をクリアしてきた技術者たちとなら、安定した商品が提供できると考えたからだ。

現在、90歳を超えた和田氏は第一線を退いているが、平均年齢70代の元同僚8人が、品質管理に目を光らせ、忠実にその味を継承している。

チーズケーキは300円から。取り寄せも可能。
「ヨハン」のホームページはこちら

2005年09月05日

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