CSR基礎講座 No.2
前回では、CSRを学習する上で大切な概念である「ステイクホルダー」と「トリプルボトムライン」を学習しました。
復習すると、ステイクホルダーとは従業員、株主、顧客、取引先、さらには地域社会など
企業活動を行うにあたって関連するあらゆる対象のこと、でしたね。
トリプルボトムラインとは、企業パフォーマンスを評価するのに、今までの財務パフォーマンス
だけでなく、環境、社会、ビジネス(財務)の3つの側面から、すなわちトリプルボトムライン
から評価しようとする方法ですね。すなわち、健全で将来にわたって維持できる社会や環境が
あってこそ企業活動が成立するのです。
さて、今回は「CSRとは何か」を考えることにしましょう。
CSRは、その言葉一つを取っても「Corporate Social Responsibility」、すなわち、企業の
社会的責任である。いやいや、それに加えてCitizen’s Social Responsibility、つまり
市民の社会的責任も加えるべきである。など様々な定義がされています。
またその行動についても、CSRとはコンプライアンスのことである。
いや、それだけではなく企業の自発的な社会貢献を含む、など様々です。
いずれも間違いではないのですが、ここではそうした厳密な定義を試みるのではなく、
もう少し違った角度から「CSRとは何であるのか」を考えてみましょう。
いま、地球上の環境はどのようになっているのでしょうか。
人間が生きるのに欠かせない大気についてはどうでしょう。
石炭(と言っても日本では余り使われなくなりましたが)や石油と言った化石燃料の消費が
拡大し、大気中の二酸化炭素が急激に増加して、気候の温暖化を来たしていることは
良くご存知ですね。
私達に身近な、太平洋での多くの台風の発生など、地球の温暖化に関係があることが
証明されつつあります。それに、フロンなどによって上空のオゾン層が破壊されて
紫外線量が増加し、人々の健康や生態系に悪い影響を及ぼしていることは、
どこかで耳にしたことがありませんか。
こうした様々な環境の変化が私達の生活を脅かし始めています。
社会の状況はどうでしょうか。
日本に居てはそうした実感がないとは思いますが、世界には貧困にあえぎ、栄養不足や
餓状態にある人たちが8億人以上も居ます。
戦争の犠牲になって両親を失ったり、満足に毎日の食事にもありつけない子ども達が
沢山います。世界では毎日3万人以上もの幼い命が失われているのです。
私達の身近な問題に目を移してみても、多くの社会問題があることに気が付きます。
セクハラ、パワハラ、モラルハラスメントなどの精神虐待、エイズや外国人労働者などの
人権問題などがあることはご存知ですね。
実は私達の身の回りの社会には、このほかにも解決しなければならない社会問題が
山積しています。
CSRとは、こうした環境や社会の問題を市民一人ひとりが、そして企業が、それぞれの
責任として解決していく行動なのです。
企業が法律や規則を守ることも、秩序ある社会を築く上で欠くことのできないことです。
したがって、これも企業のCSR行動の基本的なものです。
CSRとは、市民や企業が環境や社会の長期的な社会価値の維持、向上を考え、
行動することなのです。
どうでしょう、なぜ私達がCSRを考えなければならないか、なんとなくでも理解できましたか。
今は大競争の時代、自分の会社が儲かればよい。他人様のことを考えていたら、自分たちは
競争に負けてしまう・・・。本当にそうなのでしょうか。
会社が社会からそっぽを向かれたらどうなるのでしょうか。
残念なことですが、不祥事を起こして、新聞やテレビで報道された会社のその後は
どうなっているのでしょう。
不祥事から立ち直るにしても、どれ程の努力が必要なのかを見れば、もはや自己本位の
考えでは、企業は社会に存在できなくなっていることがお分かりと思います。
企業が長期的に維持、発展するためには環境や社会と共存できなければならないのです。
今号ではCSRとは何かを考えてみました。
ここに挙げたものがCSRを考えなければならない背景の全てではありません。
また、自分たちの会社でCSR行動を考える場合にはもっと掘り下げて考える必要があるでしょう。
しかし、目指すところは同じです。
あなたも、そしてあなたの会社でも、明日の社会のために自分たちに出来る身近なCSRを
考えて見ましょう。
次回は、「CSRとしての社会貢献」について考えることにしましょう。
2005年09月05日
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「聴導犬」を知っていますか?
品川駅のホームで、仕事中の「聴導犬」に出会った。オレンジ色のユニホームを着け、ご主人の隣でチョコンとお座りの姿勢をとっている。
聴覚の不自由なひとに代わって家の中では、目覚ましやインターフォンや電話の呼び出し音を伝えたり、外出時には車のクラクション、ご主人の名前に反応するように訓練されている。
補助犬法ができて一年以上がたつが、まだまだ市民権を得られず、相変わらず入店や入場を拒否されることが多いそうだ。「他のお客様のご迷惑になりますので」。そんなときはすかさず「ちっとも迷惑じゃありませんよ」と一言、声に出してあげてほしい。



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