「数字の話」 ・・・ 数字でみる地球温暖化
“数字”は世界中どこでも共通です。数字(特にアラビア数字)がなかったら、世界の文明や科学の進歩は異なるものになっていたでしょう。 “数字”には感情や偏見が入りませんから、計算間違いが゙なければ、予め与えた条件に沿う客観的な答が出てきます(計算違いについては“数字”は責任を持ちません)。私たちエンジニアはそのような数字を信奉し、数字で考え、数字で喜び、数字で悩む、そんな人種です。
さて、ここでは、数字信奉の環境派エンジニアを自認する立場で、地球温暖化を数字で紹介しましょう。2004年9月のことですが、環境省のHPに「地球シミュレータによる最新の地球温暖化予測計算が完了」という記事が掲載されました。
東京大学、国立環境研究所、地球環境フロンティア研究センターの合同研究チームが、“地球シミュレータ”を使って行った2100年までの地球温暖化の数値解析の結果を発表したものです。
“地球シミュレータ”というのは何やらものすごい名前ですが、独立行政法人海洋研究開発機構にあるスーパーコンピュータのことです。
この解析では面白い数値がたくさん示されていますので、ちょっと拝借します。
解析条件としては、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が設定したシナリオ2つを採用しています。
・シナリオ「A1B」 経済重視で国際化が進む仮定 (2100年の二酸化炭素濃度が720ppm)
・シナリオ「B1」 環境重視で国際化が進む仮定 (2100年の二酸化炭素濃度が550ppm)
ここで注目したい数字は、2100年の二酸化炭素濃度、720ppmと550ppmです。
国際的な認識では、産業革命以前の二酸化炭素濃度はおよそ280ppmであったと言われています(どのような方法で算定したのか知りませんが)。また、今日の濃度は、35%増加して370〜380ppmだと言われています。その間、地球の平均気温は0.6℃上昇したとのことです。二酸化炭素濃度は今後どんどん上昇し、2100年には経済重視のシナリオでは産業革命以前の2.6倍程度、環境重視でも2倍程度に上昇すると想定しているわけです。
地球シミュレータによる地球温暖化解析の結果は、事前の知識のない人には少々インパクトがあるかと思います。2071〜2100年で平均した全地球平均の気温は、1971〜2000年の平均に比較して、・シナリオ「A1B」で4.0℃の上昇、・シナリオ「B1」で3.0℃の上昇ですが、特記すべきは、北極圏で10℃以上の上昇が予測されることです。
地球シミュレータによる地球温暖化解析の結果は、事前の知識のない人には少々インパクトがあるかと思います。2071〜2100年で平均した全地球平均の気温は、1971〜2000年の平均に比較して、・シナリオ「A1B」で4.0℃の上昇、・シナリオ「B1」で3.0℃の上昇ですが、特記すべきは、北極圏で10℃以上の上昇が予測されることです。 これは大変なことです。地球全体の気温が平均的に上昇するのも心配ですが、氷が張り詰めている零下の地域で気温が大幅に上昇したら、氷が゙融解して世界の海水位が上昇し、ツンドラが溶けてメタンハイドレート(メタンガス分子と水分子から成る氷状の固体物質で、永久凍土の下部や深度300m程度以深の海底地層中に存在するエネルギー資源)からのガスキック(温度上昇によるメタンガスの噴出)が生じ、もちろん生態系のバランスが崩れたりします。
北極圏の気温上昇については、海外でも 数値解析が行われています。一読の価値があるのはArctic Council(北極圏評議会・・・米、露、加、スカンジナビア3国、デンマーク、アイスランドの政府が参加)の研究レポート“Arctic Climate Impact Assessment”(北極圏気候インパク評価:http://amap.no/acia/)でしょう。
こうした地球温暖化予測で得られた数字の信憑性は、与える解析条件により異なりますが、北極圏での顕著な気温上昇傾向は疑う余地のないところです。
先月(8月16-18日)ですが、グリーンランドに世界22ヵ国の閣僚が集まり、「Dialogue on Climate
Change:グリーンランド・ダイアローグ〜気候変動の視点について」という会議が開かれました。その際、閣僚達はグリーンランドにおける温暖化の現場を視察し、顕著な氷の融解を目のあたりにしたとのことです。これに参加した、モーレー英国気候変動・環境大臣が次の談話を発表しています。
「会議に参加した各国の閣僚は、当地グリーンランドで地球温暖化の規模と緊急性の明らかな証拠を目の辺りにした。それは、この度の会議に一層の弾みをつけ、また、今年末にモントリオールで開催される会議に際して、気候変動取組へのアクションの強化、特に京都議定書に対するわれわれの約束を強めるものであった」
“Here in Greenland, ministers have come face to face with the visible evidence of the scale and urgency of the climate change challenge. It gave added impetus to our talks and reinforced our commitment to strengthening action to tackle climate change – in particular to the Kyoto Protocol, when we meet in Montreal later this year.”
そこで皆さんに一つ提案いたしたく思います。
世界人の一人として地球温暖化を認識し、その対策をみずからの課題としたいものです。
まずは日本人として、国の方針を数字で理解しませんか。
それには、中央環境審議会の「地球温暖化対策推進大綱の評価・見直しを踏まえた新たな地球温暖化対策の方向性について」(第2次答申、今年3月)を一読し、個々の分野における目標 “数字”を確認することを推奨します
参考“数字”
わが国の基準年(1990年)の温室効果ガス排出量 ・・・ 12億3,700万トン
わが国の2002年の温室効果ガス排出量 ・・・ 13億3,100万トン
わが国の2008-2012年における温室効果ガス排出目標量 ・・・ 11億6,300万トン
2005年09月05日
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「聴導犬」を知っていますか?
品川駅のホームで、仕事中の「聴導犬」に出会った。オレンジ色のユニホームを着け、ご主人の隣でチョコンとお座りの姿勢をとっている。
聴覚の不自由なひとに代わって家の中では、目覚ましやインターフォンや電話の呼び出し音を伝えたり、外出時には車のクラクション、ご主人の名前に反応するように訓練されている。
補助犬法ができて一年以上がたつが、まだまだ市民権を得られず、相変わらず入店や入場を拒否されることが多いそうだ。「他のお客様のご迷惑になりますので」。そんなときはすかさず「ちっとも迷惑じゃありませんよ」と一言、声に出してあげてほしい。



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